tempescope

好きな場所の空を切り取って、部屋に置ける箱

GitHub ↗

晴れ、雨、くもり、雷など、様々な空模様を箱の中に再現するアンビエント天気ディスプレイです。例えば「明日の空」を玄関先に置いたり、「遠い場所の今の空」を本棚に置いたり、使い方は自由。回路・ソースコードは全て公開し、その後Indiegogoでクラウドファンディングにも挑戦しました。

アイデア

サイパンのビーチで海に浮かぶ見事な積乱雲を見たとき、「この空をそのまま部屋に持って帰れたらいいのに」と思ったのが始まりでした。

スマホを見れば、数字や「傘のアイコン」として天気予報は手に入ります。けれど、私たちが朝起きて窓の外を見るときに感じるのは、記号ではなく「空気の気配」そのものです。Tempescopeは、情報を読み取らせるのではなく、雨を降らせ、雲を漂わせ、雷を光らせることで、明日の空模様を「なんとなく目に入る風景」としてリビングに届けます。

プロトタイプからオープンソースへ

最初の試作は、100円ショップのシャンプーボトルに水中ポンプと超音波霧発生装置を詰め込んだ、ごく粗削りな週末ハックでした。PCから取得した予報データに合わせて水が落ち、霧化ユニットが作る雲が立ち込め、LEDが雲の中で稲妻のように光ります。

インターネットでの大きな反響を受け、アクリル板を揃えて簡単な電子工作をすれば誰でも作れるオープンソース版を新たに設計し、「Open Tempescope」として公開しました。世界中のメイカーたちから「作ったよ!」と写真が届くようになり、Mashup Awards 9でハードウェア部門賞を受賞しました。

想定外の反響とクラウドファンディング

より多くの人に届けるため、有志のチームを結成してIndiegogoでのクラウドファンディングに挑戦。公開した紹介動画は200万回以上再生され、世界各国のメディアで取り上げられました。

量産化のハードルは高く、残念ながら製品化にたどり着けませんでしたが、デジタルとフィジカルの境界を曖昧にするものづくりの原点となったプロジェクトです。

受賞

  • Maker Faire Bay AreaBest in Class
  • Mashup Awards 9ハードウェア部門賞

放送

  • France 5La Quotidienne
  • CNN Indonesia
  • テレビ朝日ビートたけしの知らないニュース
  • Reuters Television News
  • Discovery Channel CanadaDaily Planet

紙媒体

  • Arts Illustrated
  • Embedded Node.jsPatrick Mulder 著
  • Mutfak Banyo
  • Playboy Netherlands
  • 日経MJネットライフ面
  • New York Daily News
  • TFG Tech Magazine
  • 週刊アスキー
  • S7 Airlines機内誌
  • Make:Volume 42: Annual 3D Printing Guide

Webメディア

Updates

TempescopeのクラウドファンディングをIndiegogoで開始しました!

長らくお待たせしました!Tempescopeを製品として皆様の部屋にお届けするため、本日Indiegogoにてクラウドファンディングキャンペーンをスタートしました:

https://www.indiegogo.com/projects/tempescope-a-box-of-rain-in-your-living-room/x/10950397#/story

オープンソース版を公開してから世界中から本当にたくさんの反響をいただき、「自分で作れないけれど部屋に置きたい」という声を多数いただきました。それに応えるべく、東京の仲間たちとチームを組み、金型設計や回路の刷新を行い、量産化に向けた製品版プロトタイプを開発してきました。

キャンペーンページでは、実機が部屋の中で雨を降らせ、雲を漂わせる様子を収めた新しい紹介動画も公開しています。

ぜひIndiegogoのページを覗いてみてください!

Tempescopeで遊ぼう 〜その2:リアル地図で旅に出よう

「PC画面に表示した地図をクリックするUI」なんてオワコンじゃん、ってことを急に思い、
本物の地図を通じてTempescopeを操作できるようにしてみました。

世界地図にコンパスを置くと、その場所の天気が見れちゃう。

コンパスを地図の上に置く事で、その場所の天気をTempescopeで表示するという簡単なデモです。

セットアップ
(1) 地図、Tempescope、そしてコンパス的なものを用意しましょう。
地図は古っぽいほうが感じ出ます。(立川のおしゃれな小物屋さんで¥500でした)
コンパスじゃなくてもいいです。船の模型とか、浮球とか、航海士が手にしてそうなものだったらなんでも雰囲気出ると思います。

地図とTempescope

軍艦の模型とかでもいい。本当は帆船が良かった。

(2) カメラを設置しましょう

地図の全体が見えればどこでもいいです。
あとで台形補正するので、適当に置きましょう。

椅子の上の、結婚式の2次会で当てたフルーツスムージー作るやつの上の、カメラ。関係ないけど机はIkeaです。ダイニングルームが小さい家におすすめのダイニングテーブルです。

(3) 台形補正しましょう
カメラで撮影した画像は、当然台形に歪んでます。ここから画像の位置を地図の位置情報にマッピングしないといけないので、台形補正しましょう。やり方分かんない人はホモグラフィー行列とか検索しましょう。

地図領域の選択。今回はめんどいので手入力で設定。地図をSURFとかで認識して自動化してもいいよ。

台形補正の結果。あんなにカメラが斜から撮ってても、補正しちゃえば割と奇麗に見えるんだなあ。

(4) コンパス(かなんか)の認識
航海士が位置を示すために地図上に置くコンパス(か帆船か浮球)を認識しましょう。
ここでもまたオブジェクト認識してもいいし、
今回はめんどいので画像の差分からゴニョゴニョしてオブジェクトを見つけました。
そうすると、以下画像みたいにコンパスが置かれた場所が奇麗に取得できます。
「バーコードのマーカー置いてARToolKit使えばいいじゃん」みたいな声が聞こえてきそうですが、マーカーはダサいんです。古物っぽい地図の雰囲気にそぐいません。ていうかマーカーがそぐう場所なんて今のとこ見た事無いです。やめましょう。マーカーレス万歳。

見つけたコンパスの周りに青い線を引いてます。

(5) で、Tempescopeで再生
コンパスが置かれた地図の場所に対する位置情報を計算します。
(地図の図法があんまり変態なのじゃなければ、簡単なはずです。まあメルカトルの地図買ってくるのが一番楽だと思います。)
そしてWunderground APIでその位置の天気を検索し、その天気をTempescopeに送って「再生」しましょう。

実際に遊んでる動画を以下に貼ります。
PCの画面は本当は必要ないんですが、分かりやすさのために置いてます。
サクサク動いてますでしょ。

まとめ
・アンティークと情報処理の融合って素敵。古びた図書館とかに置いてあってもアリな気がする。
・TempescopeをPC から無線で操作できるようにしてて良かった。
・地図に何を置いたら「っぽい」のだろう?その辺のセンスが欲しい。
・もっと地面の雰囲気も再現できたら、旅行っぽさが出る気がする。海だったら荒波とか、サバンナだったら草原とか。

Tempescopeで遊ぼう 〜その1:ジオラマを入れてみる

前から試したかったTempescopeの新しい遊び方をやってみました。

まず、鉄道模型用のジオラマ(建物コレクション 町工場C2)を買ってきます:

建物コレクションシリーズ。他にも色々な楽しいジオラマがあります。

ヨドバシで¥920、Amazonなら¥866でした。

組み立てます。
全部彩色済みなので楽々。

かっわいい。

このままだとTempescope(100mm x 100mm)に入らないので、切ります。

線を引いて切りましょう

切った。アクリルカッターでサクサク切れます。

レイアウトもちょっと調整が必要です。

で、Tempescopeに入れます。ぴったり収まります。

かわいい。

ひたすらかわいい。

横から見てもかわいい。

後ろから見ても可愛い。

やっぱり可愛い。

雲を出してみましょう。

朝モヤっぽい。

朝から働く男達。

夕焼けにしてみましょう。

青春感あふれる感じになった。

雨を降らせてみましょう。

雨粒でかい。

でかい。

結論:
・ジオラマは箱に入れると可愛い。
・雲はアリ。
・雨はスケール感がおかしい。

もうちょっとスケールの大きいジオラマにしたら、もっと臨場感出るかもしれませんね。

Tempescopeをオープンソース化しました!

以前、「窓の外を見る」ぐらいの手軽さで明日の天気が分かることを目指した、箱の中に天気を再現するアンビエントディスプレイTempescopeを公開しました。

このたび設計を一から見直し、オープンソース版として以下で公開しました: https://github.com/kenkawakenkenke/tempescope

主な変更点は:

  • ポンプと霧発生モジュール以外は、アクリル板と一般的な電子部品といった基本的な材料だけで作れるようになりました
  • 回路を全て箱の中に収めました(以前は回路の入った靴箱が別に必要でした)
  • 製作費が8000円ほどになりました(前バージョンの1万5000円から半分以下)

回路図もCADデータもソフトウェアも、全て上記サイトでオープンソースとして公開しているので、誰でも自由にTempescopeを作ることができます。

製作手順も毎日更新していて、製作の流れはほぼ一通り揃ってきました。

機能面はあまり変わっていません。

Wundergroundから天気予報を取得するPCのプログラムがTempescopeを制御し、いろいろな天気を再現します。

雲、

雨と雷、

もちろん晴れも。

開発者向けライブラリを使えば、例えばSkypeで話している相手の天気を教えてくれるプログラムなど、いろいろなアプリケーションを作ることもできます。

Tempescopeの中身

  • 小型化したArduino($5)
  • 12Vの水中ポンプ($2.4)
  • 24Vの霧発生モジュール($6)
  • アクリルのケース(自分で切って組み立てます)

前バージョンの公開後、「どうやって作るのか」というメールをたくさんいただきました。新しいオープンソース版のTempescopeを作った方は、ぜひ教えてください!

優しく天気を教えてくれるアンビエントディスプレイ「Tempescope」を作ってみた

はじめに

最近気象予報の勉強をする中で、日常生活で天気予報を知る手段について考えるようになりました。
明日の天気を知るためには気象庁のページを調べたり、ニュースの時間を待ったりなど様々な手段が現在でも用意されていますが、
「窓の外を見てみる」ぐらいの簡便さで明日の天気も分かればいいのになぁ、と考えて始めたのがこのプロジェクトです。

天候を小さな箱に再現し、インテリアの一部としてそれとなく明日の天気を教えてくれる(ことを目指した)Tempescopeを紹介します。

従来技術

多分こういった先人達から発想を受けた気がします:

  • 天気図つ- @endorno, @yuki_B, @include_bababa: クックパッドの24時間コンテスト入賞作品、明日の天気予報を光で再生してくれる素敵なオブジェ。
  • cryoscope- Robb Godshaw: 外の気温を「再生」してくれるオブジェ。触ると外の気温が分かる。超おしゃれ。
  • Rain Room- Random International: 雨が降り注ぐ部屋。入っている人の位置を検知して、雨が人にあたらないように制御するっつー素敵なアート。スケールが違うけど、天気を室内に持ってくるという意味では同じ。
  • 箱庭, 盆栽: 大自然をミニチュア化して、自分の制御出来る形にして上から眺める、というところの面白さのルーツはこういうとこですよね。

作成イメージ

箱庭的な感じで箱の中に雨、雲などのリアルな気象状況を再現し、PCやスマホ経由で制御できるようにすることで天気予報を再生したり、その他のアプリと連携させる。
それぞれの気象状況はこんな方法で再現する:

  • 雨- 水中ポンプで水をくみ上げて、上から降らせる
  • 雲- 霧発生装置
  • 日照- フルカラーLEDで日照量や、夕焼けの色を再現
  • 雷- LEDを点滅させる。(放電とかバチバチ出来ないだろうか。。?)

開発

材料

合計:¥7063

構成

Tempescope(塗装前)の構造

右図のような構造。
下部ケースに水が溜まっていて、水中ポンプと霧発生モジュールが浸かっている。上部ケースにはポンプに繋がったチューブとLEDが入っており、ポンプが駆動すると水が上部ケースにくみ上げられ、開けられた穴を通じて雨が降る仕組み。

  • 曇り:下部ケースの霧発生装置を駆動しただけでは、霧がシャンプーボトルまで達しない(空気の流れ自体はないため)ため、どうにかして下部ケースの内圧を上げる必要がある。5Vで動くファンも実験したのだが、パワー不足のため使えなかった。結局手元に転がっていた外部電源のエアーポンプで空気を下部ケースに送り込み、内圧を上げて霧をシャンプーボトルまで送り込む方式にした。これは騒音が大きく、外部装置も大きくなるため次回は霧発生装置を上部ケースに置くことも検討したい。ちなみに曇り状態が解除されたあと、一分ほどエアポンプを駆動させておき、霧を流すという制御もしている。
  • 雨:水中ポンプのみを動かし、上部ケースに水をくみ上げて雨を降らせる。
  • 日照:フルカラーLEDの色と輝度を変化させて、昼と夜、夕焼けなどを表現する。(動画00:13)
  • 雷:フルカラーLEDをランダムにフラッシュさせる(動画00:05)

ポンプ2種、霧発生体はSSR経由でArduinoから制御される。

作った

  • プロトなので、ケース類は超適当に接着した。
  • 水をかぶる部分は若干気を使って、風呂用の充填材等で固めた。
  • 回路は適当。AC回路だけは露出部がないように固めまくってプラケースに納める。

塗る。

塗装完了。100均臭は簡単には消えない。

電子制御関係は全て100均のクリアボックスに
納めた。AC電源の回路だけ二重に保護。

完成。本棚にだって置けるよ。

ソフト:Arduino側
シリアルで雨の有無、雷の有無、照明の具合などを受け取ってコントロールするだけ。特に難しいことはない

ソフト:PC側
今のところ2つのアプリを作った:

  • 明日の天気再生アプリ

  • WundergroundのAPIで現在地の次24時間の天気予報がとってこれる。これに基づき一日の天気をTempescopeで再生。

  • 世界の天気アプリ

  • 地図上の位置がクリックされると、Wundergroundから位置情報に紐ついた天気をとってきてTempescopeに送る。

世界の天気コントローラ © OpenStreetMap contributors

で、この動画みたいになります。

考察とか今後やることとか

  • アンビエントに天気を知る、という意味では目的は達成出来ている。インテリアとしても結構素敵だと思う。ただ、いくつかの細かい問題のせいで常時ONにしておくには至っていない:

  • 動作音がうるさい。雨降らせる時ポンプが空回りしてビビる。

  • 外部装置がでかい。

  • 水とAC電源を扱う装置なので、目を離すのが怖い。

  • アプリとして、色々作ったら楽しい気がする

  • デジタルフォトスタンドの隣に置いて、表示してる写真を撮影したときの天気を再生するとか

  • Skypeで話している相手の天気を表示して、「一緒に居る感」を出すとか

  • ずっとサイパンの天気を再生しておいて、海行きたい気持ちをもてあそぶとか

  • 雪も降らせたい! →水凍らせる?霧使って疑似雪みたいなの出来ないかな。

  • 稲妻バチバチ出したい! →アーク放電!

  • 風吹かせたい! →空気吹き込むだけだけど、雲や雨が無いときの表現は難しい。

  • 今のところ雲量や雨量の制御はしていない。雨量は簡単だが、雲量は難しい?出てる霧の量をセンシングする手段を設けないといけない?

  • 小さくしたい。できればUSBだけで動かせる装置にしたい。

  • ¥7000はちと高い。Arduinoは実際は色々安い代替があるし、エアポンプは要らない構成にも出来るので、もう¥2000ぐらいは安く出来る。誰か初号期買い取ってくれたらもっと安く作れるよ。

以上。